今年も夏とともに、旭ジャズまつりがやってきた。数ある横浜のジャズイベントのなかで、シーズントップを切るのが旭ジャズまつりだ。今回で18回目の開催となり、7月の最終日曜日開催がほぼ定着している。ただ、選挙と重なることを避け、今年は参院選投票日前日の土曜日となった。そのためか、翌日片づけが終わった頃、日曜開催と勘違いして来場した方が少なくとも2組はいたそうだ。地元に定着し常連が多いことの一端がうかがえる話だ。
雨に降られたことのない旭ジャズまつり。梅雨が明けなくても、今年も夏の暑い日差しが観客を出迎えてくれた。なんといっても、野外コンサートは屋内と違い、おまつり気分で開放的になれるのがいい。そして、芝生とステージバックの緑がいい。市内の他のイベントでは、そうそう味わえない環境だ。
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まずは、正午からアマチュアステージが始まった。今年のトップを飾ったのは、横浜市立笹下中学校ジャズアンサンブル。4月の公開オーディションで、初の聴衆投票枠で選出されたグループだ。女の子ばかり25人、まさに映画「スイングガールズ」を思い起こさせる。大人顔負けの元気で迫力ある演奏は、オープニングにぴったりだった。その後、ブルース系、ラテン系、スタンダード系と、趣の異なる3組の演奏が続き、15時からいよいよプロステージが始まった。
プロのトップは、原田靖とデキシーサミット。夏にジャズ、とりわけデキシーはよく似合う。デキシーは、今日ジャズ界ではメジャーではないが、ディズニーランドでは、結構お馴染みのサウンドで、そう言えばピンとくる人もいるだろう。生きる喜びと勇気を喚起してくれるのがデキシーの魅力だ。
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二番手は、Cute&Sexyな女性5人組グループのBianca(ビアンカ)。フルートのリーダーを中心に、個性派ぞろいのようで、多彩なサウンドを聴かせるだけでなく、なかなか魅せてもくれる。現在はインスト中心だが、ゲストボーカルも迎え、結構な盛り上がりを見せていた。
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だんだん日も落ちてきて、風がさわやかになる頃、旭ジャズまつりではお馴染みの今田勝トリオが登場した。たしか昨年も同じ頃だった気がする。安定したスタンダードの響きには、ジャズがわからなくても、ついつい引き込まれる。今年は今田さんが、2人の新進若手女性ホーン奏者とジャズボーカルの貴公子をゲストに迎えた。サックスの堤智恵子、トランペットの市原ひかり、そして男性ヴォーカルの中野マサハルだ。とくに、小柄な体の市原ひかりが奏でる、張りのあるトランペットの音色には驚かされた。昨年出演した矢野沙織といい、近年は、女性ホーン奏者の活躍が目覚ましい。
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そして、大御所の前田憲男とウインドブレイカーズが登場。このころとなると、もう日はほとんど暮れ、夜の部に突入といった風情だ。観客の数も増え、ざっと千数百人はいるだろう。会場の模擬店も繁盛している。値段も安く種類が豊富なのがいい。人気だった有機無農薬の冷しトマトとキュウリ、会場で茹でた枝豆とじゃがいもは、この頃にはすっかり売り切れていた。
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そして、今回トリを務めたのは、野口久和 ザ・ビッグバンド with BREEZE(ブリーズ)。旭ジャズまつりは、デキシーに始まりフュージョンからスタンダードを経てビッグバンドで終わる構成が多い。今年もこの「王道」を守り、ビッグバンドで盛り上がりは最高潮に達した。とくにブリーズの4名(男女各2名)のヴォーカルのハーモニーは素晴らしいの一語に尽きる。ステージ前には大勢の人が詰めかけ、アンコールが何曲も続いた。
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毎年会場となるのは、こども自然公園(通称大池公園)野球場。スタンドのない、なんの変哲もない平坦な野球場だ。しかし、この日のためだけに、大がかりなステージを組み、ケーブルテレビの生中継が入り、多数の模擬店が並び、2000人を越えなんとする人が集う。まさに一日限りのジャズの別天地。翌日昼過ぎには、多数のボランティアの力で、野球場は、何事もなかったかのようにもと通りとなり、セミの鳴き声だけが鳴り響く静寂に包まれる。